クリスマス 「羊飼いへのお告げ」ルカの福音書2章6〜20節
約束の成就〜キリストの誕生〜
ヨセフさんとマリアさんがユダヤのベツレヘムへ住民登録をしに行きましたが、宿屋がどこもいっぱいで二人が泊まるところがありませんでした。マリアさんは赤ちゃんが産まれそうになったので、馬小屋に泊めてもらうことになりました。その馬小屋で、ついにマリアさんは男の赤ちゃんを産みました。赤ちゃんを寝かせるベッドはありませんでした。家畜の餌を入れる飼葉桶という冷たく硬く汚い石の入れ物にキリストが寝かされました。こうして御使いのお告げの通り、キリスト救い主がお生まれになったのです。
貧しい羊飼い
キリストの誕生が一番初めに知らされ、お祝いをしたのは誰だったでしょう?それはなんと羊飼いさんでした。みんなが住民登録をするために生まれた町に帰って名前を書きに行っている中で、羊飼いさんたちは町に住んでいる人として数えられていない人たちでした。そしてお仕事も、汚い、きつい、怖いお仕事で、貧しく、生きていることに喜びも感じられないような人たちでした。キリストが生まれた夜も寝ないで羊たちを守っていました。
あなたがたのための救い主の誕生
神様は一番苦しく寂しく生活をしていた羊飼いさんたちのことを大事に思い、救い主の誕生を知らせたのでした。羊飼いたちは、夜空にまぶしい光と共に天使の軍勢が現れるのを見ました。そして、天使が「今日、ダビデの町ベツレヘムで、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ、主キリストです。飼い葉桶に寝ておられる赤ちゃんを見つけます。これが印です。」と言い、神様を賛美するのを聞きました。
御使いのお告げの通り
天使のお告げを聞き、羊飼いたちはどうしたでしょうか。羊飼いたちはすぐにベツレヘムに向かい、飼い葉桶に寝ておられるイエス様を見つけました。もし、王宮のお城のベッドにイエス様が生まれて寝かされていたなら、身分の低い羊飼いたちは救い主イエス様に会うこともできなかったでしょう。しかし、イエス様はどんなに身分の低い人でも会いに来られる馬小屋の飼い葉桶に寝かされました。イエス様はどの赤ちゃんよりもひどい場所に寝かされました。冷たく、硬く、汚く、臭い場所に生まれてくださいました。羊飼いたちは、御使いたちの言った通りに救い主に会うことができ、とても驚き、喜び、神様を賛美しました。そして、救い主がお生まれになられたことを周りの人々に知らせて帰ったのでした。
最後に
救い主はどんな場所に生まれたでしょう?冷たく、硬く、汚く、臭い、誰もそこに寝たくないような場所でした。それは、私たちの心を表しています。救い主が生まれても無関心で冷たく、自分のことしか考えない硬い心。心の中をみんなに見せられないほどに汚いことを考えて思ってしまう心、周りを嫌な気持ちにさせるような近寄りがたい臭いで蓋をしめてしまいたくなる心です。そんな私たちの罪の心を救うために神様であるキリストが直接来て触れて寝て住んでくださった。こんな信じられないことはありません。
また、その信じられない救い主誕生の知らせを聞いたのは誰でしたか?人として価値がないような、生きている意味もないような羊飼いたちでした。この羊飼いたちに伝えたからと言って、何の得になるのかわからないような、むしろマイナスとも思える人たちでした。しかし、そんな人たちにこそ、誕生の知らせが一番に告げられたのでした。
私たちは、それほどひどい罪の心はない、あの人よりかはマシだ、と思っていることでしょう。また羊飼いよりかは良い人間で救われて当然の存在だと思っているかもしれません。でも本当にそうでしょうか?神様からの視点で、自分が見られた時に、本当にそう思えるでしょうか?神様の熱心な愛のご計画、寛大な赦しを謙虚になって素直に受け止めたいと思います。このキリスト誕生のクリスマスは、そうした謙虚な人にこそ、とてつもない意味があり、とんでもない大きな出来事であるのです。もし、クリスマスに価値を見出せていない、他の喜びや楽しみに目が言っているのであれば、それよりもはるかに価値がある、本来の果てしない喜びに目を止めるようにしましょう。